仲介手数料0円について考えてみる

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ホームページをリニューアルして約2年超。会社も設立10年目の節目というところでホームページをより充実させるために重い腰を上げようやくコラムをちょこちょこと投稿していこうと思います。

初回投稿ということでオープニングにふさわしいテーマは何が良いかなと思案していたところ、チラシが目に止まり、「これだっ!」と思い、書いてみることにしました。

予め先に伝えておきたいのですが、ここでのコラムはあくまで弊社(より厳密に言えば弊社専務取締約である赤峯の個人的な)私見であることをご了承ください(^_^;)

仲介手数料0円の仕組みについて

まず、仲介手数料0円の仕組みについて考えてみます。そもそも仲介手数料0円というアピール(触れ込み)は誰のためにあるのかというところに注目します。それは2パターンあって、まず1つ目は買主様だと思われます。不動産を購入する際に仲介してくれた不動作会社(不動産業界的な専門用語として買付業者と呼びます)に支払う費用として仲介手数料が存在します。仲介手数料は物件価格の約3%(細かな計算はいずれコラムで解説したいと思います)です。

例えば物件価格が2000万円だとすればそれにかかる仲介手数料の費用は66万円プラス消費税(6.6万円)合計72.6万円(税込)となります。こうみると仲介手数料が一切不要となると買主様にとっては負担が減るので有り難い無料サービスだといえますね。

一方2つ目として売主様の仲介手数料が0円となる場合ですが、これも買主様と同様に自身の不動産を売却した際に窓口として仲介してくれた不動産会社(ここでは元付業者と呼びます)に支払う費用がございます。売主様も仲介手数料が無料だとなれば上記の例でいえば本来なら2000万円から仲介手数料(72.6万円)を差し引いた1927.4万円がお手元に入るのが丸々全額自分の懐に戻るというのはとても有り難いサービスであるといえますね。・・・・と以上にあげたのが基本的なサービス(0円・無料)の仕組みということです。

 

さてここからが本題ですが、ひとつ疑問に思うことが存在します。それは「不動産会社は0円でどうやって儲けて(利益創出)いるの?」ということです。上記の説明で既にお気づきの方もいらっしゃるかと思いますが、結論からいうと必ずどちらか(売主様もしくは買主様)から仲介手数料を頂いているということです。

もう少し噛み砕いて説明すると不動産の取引には上記にあった買付業者と元付業者という会社が存在します。もし仮にミネ・ワークス(弊社)が売主様側の窓口業者(元付業者)として売却活動を行ったとします。その際、弊社が運良く買主様も見つけ出して買主様側の業者(買付業者)として契約までに至るとなると、何とミネ・ワークスはそれぞれの窓口業者(これこそまさに仲介)にもなるという構図になります。そうするとミネ・ワークスは元付業者であり、また買付業者でもあるわけですから売主様、買主様それぞれから仲介手数料を頂くことが可能になるわけです。先程の例でいうと2000万円のお取引であれば売主様から72.6万円、買主様から72.6万円合計145.2万円の仲介手数料が報酬としていただけるのです。これを業界的にいうと両手(売主様と買主様との間に業者が間に入ってそれぞれの手を繋いでいるイメージ)といって不動作会社側からするととても魅力的なお取引であるといえます。ちなみに両方から報酬を得るという行為自体は二重取りにもみえますが、宅建業法上にも違法性のない合法的な営利行動として認められています。

ところが、冒頭にもあったように仲介手数料を0円にするということは売主様、買主様の双方から0円、つまり1円もとらないとなるとそのような不動作会社は存在できるのでしょうか?からくりとしては仲介手数料0円というのは双方に同時に宣言できるシステムではないということです。例えば〇〇不動産は買主様に対して仲介手数料は0円です。その代わり売主様からは仲介手数料はいただきます。とか・・・はたまた△△宅建は売主様の仲介手数料は0円ですけど買主様の仲介手数料はいただきます等のいずれにしてもどちらかから手数料を得るという仕組みになっているはずです。

 

「仲介手数料0円てどうなの?」

正直なところ、「仲介手数料0円てどうなの?」ということをお客様、同業者からもよく聞きます。正直なところ、賛否両論あるかと思います。0円を是とする業者、はたまた否とする業者も多数存在します。ミネ・ワークスとしての見解はどちらもアリなんだと思います。どちらかといえば各不動産会社さんのスタンス(営業スタイル)の問題ではないかと考えています。ちなみに弊社はどちらかというと仲介手数料はそれぞれからちゃんととるべきであると言う考えのもと営業活動をしております。売主様から予め仲介手数料を取らないという方法は本来得られる報酬額を自ら進んで手数料は不要です。というやり方はあまり気が進む営業方法とは思えない(個人でやっている業者さんならできるかもしれませんが)ですし、買主様に対しても重要事項説明書の作成から契約書作成、また住宅ローンの斡旋、物件の明け渡しの手続きまでお取引の安全をスムーズに進めるという重い責任を全うしようするのに予め手数料は無料を是とする考えには正直なかなかなれないというのが本音のところです。(あくまでこの考えは原則的な考えなので取引によっては当然例外の場合もございます。それは以後のコラムでお伝えできればと考えています)

しかし、何よりも一番の理由、それは仲介業者たるもの中立の存在・中立性を重んじる行動を取ることを求められるので「片方は仲介手数料をとるけど、もう一方は無料でいいですよ」というのは中立性に欠けていると感じるからです。よく売主手数料0円というのがあって一見売主様はすごくお得に感じられがちですが、考え方によっては買主様側から仲介手数料をもらえるわけですから中立と言うより買主に有利に働くケースも考えられるわけです。もしこのようなケースになった場合、不動産会社は果たして中立性を全うできるかどうかはこのコラムを見ている方は若干の疑問を感じるのではないでしょうか。まあ、これを同業者が見ていたら「ミネ・ワークスめ、きれいごと言いやがって」と鼻で笑われそうですが(笑)、しかし、どうあれ弊社はそう思われても結構です。弊社は基本的に正規の仲介手数料頂くからにはそれなりの仕事は全うする所存で今までやってきました。私達の考えとして、お客様は一方のみではないのです。売主様も買主様も等しく弊社にとってとても有り難いお客様なのです。今後これからもそのスタンスを崩さずにやっていこうと思います。

 

赤峯の見解

ちなみに言わせてもらうと仲介手数料0円は「それってその会社ちゃんと仕事できないんじゃないの?」とか「取引した後はアフターフォローしないんじゃないの」とか言われることもあるかと思いますが、あくまで私個人の見解ですが、仲介手数料を取ろうが取らなかろうがその会社自体をお客様が実際に見て判断することです。仲介手数料を取る会社でもいい加減というかトラブルが多い会社も存在するでしょうし、逆に仲介手数料を0円にしてもキチンとした対応をされている会社もきっと存在するはずです。上記にも申し上げたとおり仲介手数料0円というのはあくまで不動産会社さんのスタンス(営業スタイル)の問題だと思っているので、それ自体が会社の良し悪しを判断する材料にはならないと思います。ですから不動産の売却や購入の際に仲介手数料0円とか無料などの広告などに惑わされず、「この会社、ちゃんとしてくれるかな?安心して任せられるかな?」とかご自身の目や耳でご判断してご自身に合った不動産会社を探してみてはいかがでしょうか。